2018 MANIFEST
「あべ守一基本政策集2018」〜創造的で持続可能な共生社会づくり〜

私、あべ守一は、県民の皆様からの負託を受け、県民の皆様のしあわせの実現と長野県の発展のため、県政に全力で取り組んでまいりました。

これまで県政を確実に前進させることができましたのも、ひとえに県民の皆様のご支援、ご協力の賜物であり、深く感謝申し上げます。

グローバル化とテクノロジーの急速な進展、人口減少や人生100年時代の到来など、今、我が国は時代の大きな転換点にあります。こうした時代背景を認識した上で、今年度スタートさせた新たな総合計画「しあわせ信州創造プラン2.0」を基本としつつ、新たな時代を積極的に切り拓いてまいります。

私は、県政の三つの役割を意識して取り組みます。社会の変化を先取りする「攻め」の行政、県民の生活を「守り」続ける行政、誰一人社会から取り残さない「温かな」行政です。

目指す社会は「創造的で持続可能な共生社会」です。「明日への希望」と「暮らしの安心」に満ちた長野県を実現するためには、本県の強みである「学びと自治の力」を最大限発揮して、新たな社会や産業を構築していくための「創造性」と、医療・介護、交通、環境などの「持続可能性」を高めるとともに、県民相互に支え合い助け合う「共生社会」を築いていかなければなりません。

私は、こうした考えのもと、県民の皆様の「確かな暮らし」を実現するため、全身全霊、自らの全てを賭けて、信州の未来を創造していく覚悟です。

平成30年7月12日
阿部守一

1 基本姿勢〜「県民起点の県政」

県政は県民の皆様のために存在しています。「共感と対話」「県民参加と協働」を基本に、県民の皆様の思いに常に寄り添い、ともに考え、行動する県政を推進します。また、本県の特色を活かし、光が当たりにくいところにも光を当て、県民の皆様とのお約束を守ることを深く肝に銘じて県政に取り組みます。

1)長期的な展望を持って「現場」から変革します

社会経済環境が大きく変化する中、長期的な展望をもって長野県の未来を創造します。特に制度や仕組みの問題が現れやすい「現場」を重視し、現場目線で社会をよりよい方向に変革するため全力を尽くします。困難な課題にも失敗を恐れず挑戦し、国に対しても積極的な提案を行います。

2)「攻め」と「守り」、「温かさ」を意識して県政を進めます

社会の変化を先取りする「攻め」と、県民生活の安定、安心を確保する「守り」、そして、誰一人社会から取り残さない「温かさ」を意識して県政を進めます。

3)国際社会と連帯し経済・社会・環境の統合的向上を目指します

「SDGs未来都市」に選定された県として、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け国際社会と連帯するとともに、経済・社会・環境の統合的向上を目指します。

4)開かれた県政を堅持し、説明責任を果たします

県民の皆様との直接的な対話を行うタウンミーティングやランチミーティングを開催するなど、開かれた県政を堅持し、説明責任を果たしてまいります。

5)効果的な県政を目指し、現場と成果を重視します

内部管理的業務を簡素化し、県民の皆様と向き合う現場と、具体的な成果をあげることを重視することにより、限られた人員や予算で県政をより効果的に運営します。

6)行政運営を効率化し、財政の健全化を進めます

ICTやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを導入し、行政運営の効率化を進めるとともに、歳入歳出両面の改革に取り組み、財政のさらなる健全化を進めます。

7)現地機関を強化し、協働を推進します

地域振興局を核とする現地機関の機能を強化し、市町村、企業、NPOなどとの協働を一層推進することにより、県組織の課題解決能力を高めます。

8)職員力を強化し、多彩な人材を活用します

職員の自主的な学びに対するインセンティブの付与、兼業許可の柔軟な運用等による社会貢献活動への参加促進等により、学ぶ県組織への転換を図ります。また、社会人経験者や専門的な資格・能力を持つ人材の積極的な登用を進め、県民サービスの向上につなげます。

2 目指す長野県の姿

県民の皆様の「確かな暮らし」の実現に全力で取り組みます。確かな暮らしとは、明日への希望を持って日々の生活を送ることができ、万一の場合には温かな支援を受けることができるという安心があることです。

グローバル化やテクノロジーの急速な発達、人口減少・超高齢社会の到来等、社会経済環境が激変していく今日、希望と安心のある社会をつくるためには、新たな社会や産業を構築していくための「創造性」と、地域、生活、環境等の「持続可能性」が重要です。加えて、誰一人取り残さない信州をつくるためには、多様性が尊重され、支え合い助け合って生活する「共生社会」を築いていかなければなりません。

中央集権的、画一的な発想ではなく、本県の強みである「学びと自治の力」を最大限活かし、「創造的で持続可能な共生社会」の実現に取り組みます。

1)希望あふれる「創造的な社会」

2)安心して暮らせる「持続可能な社会」

3)多様性が尊重される「共生社会」

3 「しあわせ信州創造プラン2.0」の推進

長野県は、本年4月から総合計画「しあわせ信州創造プラン2.0」をスタートさせました。多くの皆様の夢や希望をお伺いして取りまとめた責任者として、「学びと自治の力」を推進エンジンとして、基本目標である「確かな暮らしが営まれる美しい信州」を実現するため、このプランを着実に実行します。

1)6つの「基本方針」に基づき政策を進めます

① 学びの県づくり

生きる力と創造性を育む教育の推進、地域とともに取り組む楽しい学校づくり、高等教育の振興による知の拠点づくり、生涯を通じて学べる環境の整備

② 産業の生産性が高い県づくり

革新力に富んだ産業の創出・育成、地域内経済循環の促進、海外との未来志向の連携、収益性と創造性の高い農林業の推進、地域に根ざした産業の振興、郷学郷就の産業人材育成・確保

③ 人をひきつける快適な県づくり

信州と関わりを持つ「つながり人口」の拡大、世界を魅了するしあわせ観光地域づくり、心豊かな暮らしを実現する文化芸術の振興、2027年国民体育大会・全国障害者スポーツ大会に向けたスポーツ振興、市街地の活性化と快適な生活空間の創造、中山間地域での暮らしの価値の再発見、先端技術の積極的な活用・導入、生活を支える地域交通の確保、本州中央部広域交流圏の形成

④ いのちを守り育む県づくり

県土の強靭化、ライフステージに応じた健康づくりの支援、医療・介護提供体制の充実、生命・生活リスクの軽減、地球環境への貢献

⑤ 誰にでも居場所と出番がある県づくり

多様性を尊重する共生社会づくり、女性が輝く社会づくり、人生二毛作社会の実現、若者のライフデザインの希望実現、子ども・若者が夢を持てる社会づくり

⑥ 自治の力みなぎる県づくり

個性豊かな地域づくりの推進、信州のブランド力向上と発信、地域振興局を核とした地域課題の解決

2)8つの「重点目標」の達成に全力を傾けます

① 付加価値を高め、経済成長を実現する

労働生産性:7,314千円/人(2014年度)→8,065千円/人(2020年度)

② 県民の豊かさ全国トップレベルを維持する

県民一人当たり家計可処分所得:2,409千円(2014年度)→2,785千円(2020年度)

③ 人口の社会増を実現する

社会増減:▲739人(2017年)→社会増(2022年)

④ インバウンド需要を取り込み、観光消費額を増加する

観光消費額:7,320億円(2016年)→8,100億円(2022年)

⑤ 2025年に県民希望出生率1.84を実現する

合計特殊出生率:1.59(2016年)→1.76(2022年)

⑥ さまざまな人の労働参加率を全国トップにする

就業率:60.7%(2016年)→61.5%(2022年)

⑦ 健康長寿日本一を維持する

健康寿命:全国1位(2013年)→全国1位

⑧ 再生可能エネルギー100%地域を目指す

再生可能エネルギー自給率:8.0%(2015年度)→12.9%(2020年度)

3)「地域計画」の実現に取り組みます

地域振興局ごとに策定した「地域計画」の実現に取り組み、地域の課題解決や個性豊かな魅力ある地域づくりを進めます。

4)中長期的な視点に立って、「チャレンジプロジェクト」と「学ぶ県組織への転換」を推進します

① 人生を豊かにする創造的な「学び」の基盤づくりプロジェクト

② 共創を促進するイノベーティブな産業圏づくりプロジェクト

③ 未来に続く魅力あるまちづくりプロジェクト

④ 美しく豊かな木と森の文化の再生・創造プロジェクト

⑤ 安心できる持続可能な医療・介護の構築プロジェクト

⑥ 人生のマルチステージ時代における多様な生き方の支援プロジェクト

⑦ 職員の能力を最大限に活かす「学ぶ県組織」への転換

4 あべ守一が取り組む「6つの重点分野」

これまでの多くの県民の皆様との対話を踏まえ、本県のおかれている現状等に鑑み、次の6つの政策分野に重点的に取り組んでまいります。

これらの分野については、本県が全国で最も進んだ地域となるよう取組を進めるとともに、必要に応じて、国に対して新たな制度構築や規制改革等を求めてまいります。

重点1 「学び」:創造的な学びを推進し、多様な学びの場を整備します

重点2 「働き」:誰もがいきいきと働き、活躍できる社会をつくります

重点3 「生活」:医療や交通の充実、まち・むらづくりの支援など、生活の場を整備します

重点4 「産業」:AI、IoT時代にふさわしい産業支援体制を構築します

重点5 「技術」:先端技術を産業の活性化と暮らしの利便性向上に活かします

重点6 「共生」:人を大切にし、誰一人取り残さない共生社会をつくります

1)「学び」:創造的な学びを推進し、多様な学びの場を整備します

急速に変化する現代社会にあって、私たちがしあわせに暮らすためには、県民の皆様一人ひとりが、主体的な学びにより、環境変化に対応するとともに社会を発展させていくことが重要です。
明治維新以後、就学率の高さと教育投資の多さで教育県としての名声を博してきた本県の強みを活かし、新たな「学びの県」づくりを進めます。

○生きる力を育む教育

  • 自己肯定感や創造性、リーダーシップなど子どもたちの生きる力を育むため、幼児教育支援センター(仮称)を設置して幼児教育の充実を図ります。また、自然教育、持続可能な開発のための教育(ESD)、信州学等の主体的な学びを、学校や地域(公民館、信州子どもカフェ等)で実践します。
  • 一人ひとりの個性を尊重し、得意な分野の能力を伸ばすことができるよう、障がい児や発達に特性がある子どもたちへのきめ細かな対応に取り組みます。
  • 本県の特色である信州型自然保育を一層推進し、「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」を全国組織として確立します。

○Society5.0時代の学校教育への転換

  • EdTech(テクノロジーを活用して教育に変革をもたらすサービス・技法等)を有効に活用し、個別最適化された学びの機会を提供し、読解力などの基盤的な力を確実に習得できるようにします。
  • これからの時代に重要な「STEAM」(科学、技術、工学、芸術、数学)分野における教育の充実を図ります。
  • 教員が子どもたちとしっかり向かい合う時間を確保し、質の高い授業を実現するため、教員の働き方改革を進めます。
  • 学校評価・授業評価を徹底し、教育環境や授業内容の改善につなげます。

○障がい等困難を抱える子どもの教育の充実

  • 特別支援学校におけるトイレの洋式化、空調設備の設置、学習環境の向上及び施設の老朽化対策を進めるとともに、自立活動担当教員を増員します。
  • 障がいがある子もない子も共に学び交流するインクルーシブ教育について研究するとともに、発達にさまざまな特性を持つ子どもたちが、できる限り学校や保育園等で他の子どもたちと過ごすことができるよう環境整備を図ります。
  • 病気等で通常の授業を受けることが困難な子どもたちの教育機会を最大限保障します。

○高校の改革

  • 情報社会に対応するためICT機器の整備を進めるとともに、ICT教育やプログラミング教育を強化します。
  • 外国語教育の充実や、学業・スポーツ・芸術分野での留学促進、海外の高校等との交流促進などにより、グローバル社会に対応できる人材の育成に力を入れます。
  • 高校再編にあたっては、地域の皆様とともに検討を行い、各学校に明確な特色を持たせるとともに、探求的創造的な学びを重視するなど学びの質の向上に努めます。また、白馬高校のように生徒の全国募集の導入を広く検討します。
  • 新たな学びにふさわしい学習空間の整備に取り組むとともに、トイレの洋式化や空調設備の設置を進めます。
  • 信州学の徹底や地域の社会貢献活動への参加促進、経済人等外部講師による授業の充実などにより、体験等を通じて郷土や社会を学ぶ機会を増やします。

○高等教育の更なる振興

  • 高等教育支援センターを核にして、県立大学をはじめとする高等教育機関の一層の振興を図ります。
  • 学生の県内就職を促すためのインターンシップの推進や、大都市圏の大学・大学生との交流促進などに取り組みます。
  • 大学生等の県内定着を促進するための奨学金制度の創設を検討します。
  • 県内に存在しない学部学科を中心に高等教育機関の新たな立地を促進します。

○特色ある教育への支援

  • インターナショナルスクールや発達支援専門の学びの場など、特色ある学校の設立、立地を支援します。
  • 都市部の子どもたちの農山村体験を積極的に受け入れるとともに、山村留学を積極的に推進します。

○大人の学びとアート・スポーツを通じた学びの環境整備

  • リアルな学びとバーチャルな学びで、いつでもどこでも学び合い、価値創造を行うことができる信州・タウンキャンパス構想(仮称)を推進します。
  • シニア大学、ウィメンズカレッジ、信州環境カレッジ等を充実し、生涯を通じて学ぶことができる環境を整備します。
  • 大学や専修学校等におけるリカレントプログラムの充実を支援します。
  • 専門性の高いスタッフが芸術文化事業への支援を行う組織(アーツカウンシル)の設置を検討するなど、文化芸術に広く接することができる環境を整備します。
  • 信濃美術館の改築を進めるとともに、アート教育の拠点にします。
  • 2027年の開催を予定している国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催準備を通じて、多くの皆様がスポーツに参加しやすい環境づくりを進めます。
  • 武道振興の拠点となる県立武道館の設置を推進するとともに、総合型地域スポーツクラブの活動に対する支援を充実します。

2)「働き」:誰もがいきいきと働き、活躍できる社会をつくります

いきいきと働くことは、私たちのしあわせの最も重要な要素のひとつです。誰もが持てる能力を発揮し、生きがいを感じながら働くことができる環境づくりを進めます。また、働きやすい環境整備と、人材の確保・育成に経済団体や労働団体とともに取り組みます。

○「学び」と「働き」をつなぐ

  • 大学生・高校生のインターンシップ推進、企業・農業等の経営者による中高生への出張講義などを通じ、学生・生徒の仕事への関心を高め、就業を促進します。また、県外大学等と連携して、UIJターンを進めます。
  • 地域・産業界と高校とが協働して、学びと働きを連携させた人材育成の取組を発展させてまいります。
  • 特別支援学校を卒業後、一般企業等で就業することができる人数を増やすよう取り組みます。

○女性の起業・就業等への支援

  • ウィメンズカレッジの開催等により女性の希望をかなえる起業・就業を支援するとともに、NAGANO農業女子の取組などにより働く女性を応援します。
  • 保育所や介護施設等の整備を促進するとともに、育児・介護休業の取得促進、男性の育児・介護への参加促進などを進め、子育て・介護と仕事の両立ができる環境整備に努めます。
  • 幼児教育の無償化を控え、一層増大する保育ニーズに対応するため、保育ママ、事業所内保育等の地域型保育を含む多様な保育の受け皿整備や、保育士確保対策の推進など、市町村と連携して待機児童・潜在的待機児童対策に取り組みます。
  • シングルマザーに対する学びの機会提供を検討するなど、正規雇用を含めて女性の就業が一層拡大するよう取り組みます。
  • 離職した女性が再び就業するために必要な資格取得等を支援します。

○「生涯現役社会」の実現

  • 長寿社会開発センターとその運営するシニア大学について、機能の充実・強化を図り、高齢者の起業・就業・社会参加を積極的に応援します。
  • 長寿県として、これからの人生100年時代を生きる若い世代の複線型・多段階型の人生を支えるための制度等を検討します。
  • 社会的課題の解決に資するソーシャルビジネスやコミュニティビジネスの創業、経営改善などについて、長野県立大学ソーシャルイノベーション創出センターを活用するなど、積極的に支援します。

○障がい者の就業促進等

  • 特別支援学校における就業支援を一層強化するとともに、県内企業が法定雇用率を100%達成するよう積極的な働きかけ等を行い、一般就労する障がい者を増やします。
  • 農福連携、林福連携を推進し、障がい者の就労機会の拡大を図ります。
  • 障がい者施設等からの県の調達を増やすとともに、障がい者施設において製造した商品の販売促進等に努め、さらなる工賃アップを目指します。

○多様な働き方と働きやすい職場づくりの支援

  • 人生二毛作、一人多役、二地域居住等、多様なライフスタイルの実現を応援するための具体的な施策と、そのために必要な社会保障等制度等のあり方を検討し、国へ提言します。
  • 若年層を中心にして正規雇用の拡大に努め、県全体の正規雇用比率を向上させます。
  • 職場いきいきアドバンスカンパニー制度の活用などを通じ、短時間勤務の普及や長時間労働の是正等、誰もが働きやすい環境の整備に積極的に取り組みます。
  • 契約に関する条例に基づき、賃金の適正な支払いなど労働環境の整備を図ります。
  • 人手不足が著しい分野を中心に外国人の就労を促進するとともに、外国籍県民の皆様が地域にとけ込むことができるよう、子どもを含め日本語学習等の機会を充実します。
  • 企業におけるよりよい労働環境づくりを支援するため、労働団体と連携して、労働に関する情報の提供や、労働者・求職者等の相談窓口のワンストップ化など支援体制の充実を図ります。

○職業人材育成の充実・支援等

  • 技術専門校、農業大学校、林業大学校等、県立の職業人材育成機関については、将来必要となる人材像を見据え、リカレント教育の場としての機能を強化するなど、そのあり方を検討します。
  • 農林業、製造業、建設業、観光業や介護、福祉等、さまざまな分野における人材確保と働き方改革について、就業促進・働き方改革戦略会議できめ細かな対策を検討・実行します。また、移住施策と人材確保施策を一体的に推進します。
  • さまざまな分野における優れた人材の育成と技能の伝承を図り、いわゆる「職人」の皆様を支援するため、信州版マイスター制度(仮称)の創設を検討します。
  • 専修学校や職業能力開発校等と連携して、顕著な人材不足が見込まれる分野の人材を積極的に育成し、県内就業を促進します。
  • 大学院や他企業等への社員派遣など、中小企業が行うさまざまな人材育成の取組を支援します。

3)「生活」:医療、交通や防災対策の充実、まち・むらづくりの支援など、生活の場を整備します

人口減少社会にあって生活に必要なさまざまなサービスを維持するためには、地域ごとのサービスのあり方を分野横断的に検討し、生活の場を整備することが重要です。広域的な視点で「医療」「交通」「防災」「まち・むらづくり」のあり方を総合的に検討、改革し、県民の皆様の生活を支える重要なサービスの持続可能性を確保してまいります。

3-1 「医療」:予防の推進と医療機関連携で持続可能な医療・介護提供体制を構築します

  • フレイル予防を含む健康づくり運動を信州ACEプロジェクト=県民運動として進め、がんや糖尿病等の疾病を予防します。そのため、地域包括ケアシステムの現状、住民の健康状況、医療費・介護費等の見える化を図ります。
  • 医師・看護師等の医療人材や介護人材の確保、育成に力を注ぎ、地域包括ケアシステムを確立するなど、安心できる医療、介護の体制づくりに努めます。
  • 中小病院等における診療体制の強化を図るため、幅広い診療能力を有する総合医の養成を推進します。
  • 基幹病院と中小病院・診療所とのネットワーク化による医師の偏在是正に努めるなど、医療機関相互の機能分担・連携を促進し、中山間地域を含め、安心して暮らし続けることができる医療提供体制を構築します。
  • 自らの終期を主体的に選択するリビング・ウィル(終末期医療・ケアについての意思表明)の普及を図ります。
  • ヒートショック防止にも資する省エネ住宅の普及や、森林セラピーの普及拡大等、健康長寿県づくりのための独自の取組を進めます。

3-2 「交通」:公共交通の充実等により地域の移動手段を確保します

  • 高速バス等広域的基幹的な公共交通については、交通事業者と連携して存続・充実に取り組みます。
  • バス、タクシー事業者と協力して、貨客混載、定期券タクシー等公共交通のあり方を変革するとともに、自動運転サービス等の導入を促進するなど、自家用車に過度に依存せずとも生活ができる地域づくりを進めます。
  • JRの高速化等鉄道の利便性の向上を促進するとともに、しなの鉄道の車両更新、車両トイレの設置を支援します。
  • 公共交通の利便性が低い地域における買い物や通院・通学などのあり方を、公共交通の充実とITをはじめとする先端技術の活用の両面から検討します。
  • リニア中央新幹線の整備については、地域住民の理解と協力が得られるよう、きめ細かく丁寧な対応をJR東海に求めるとともに、産業、観光等の分野で地域振興につながるよう市町村等と連携して取り組みます。
  • 国際チャーター便の就航促進など、信州の空の玄関口である信州まつもと空港のさらなる発展と国際化に取り組みます。
  • 中部横断自動車道、中部縦貫自動車道、三遠南信自動車道、松本糸魚川連絡道路、木曽川右岸道路などの道路整備や、信州まつもと空港の国際化、中央東線の利便性向上など、本州中央部広域交流圏構想を推進します。
  • 自転車の活用、普及を図るため、保険への加入や自転車道の整備、観光等への活用などを内容とする自転車条例(仮称)の検討を進めます。

3−3「防災」:災害に強い県土づくりと広域的な防災体制の整備を進めます

  • 水害や土砂災害などに備えた施設整備を進め、県有施設や住宅等の耐震化、緊急輸送路の強靭化対策に取り組みます。
  • 農業水利施設の耐震化等災害に強い農村づくりを進めるとともに、間伐や治山施設の整備により災害に強い森づくりを進めます。
  • 克雪住宅の普及等により雪関連の事故を防ぐことをはじめ、山岳遭難、農林業作業中の事故などの戦略的予防を図ります。
  • 御嶽山における避難施設、登山道の整備を支援するなど、御嶽山噴火災害からの復興に取り組みます。
  • 大規模災害を想定し、広域的な支援受入体制を整備するとともに、地域支え合いマップの作成や地震保険への加入促進など、ソフト対策の充実を図ります。
  • 消防団に対する県民の理解を促進し、消防団員の確保や消防団が活躍しやすい環境づくりを進めます。

3-4 「まち・むら」:個性豊かで持続可能なまち・むらづくりを支援します

  • 移住人口やつながり人口が増加するよう市町村等が行う個性豊かで持続可能なまち・むらづくりを積極的に支援します。そのため、(独法)都市再生機構との協力関係を活用するとともに、信州地域デザインセンター(仮称)の設置を検討します。
  • 商店街の活性化、空き家のリノベーション、都市緑化を推進し、居心地のよい魅力あるまちづくりを支援します。
  • 高原リゾートの保養所等をリゾートオフィスに転換する、高齢者向け住宅と子どもの施設を近接して設置し「ごちゃまぜ」のまちをつくるなど、これまでの発想の枠を超えて魅力的なまち・むらづくりに取り組みます。
  • 二地域居住やつながり人口を増加させる政策を充実し、自然豊かな中山間地域を新たなライフスタイルが実現できる最先端地域(クリエイティブ・フロンティア)として再生します。そのため、環境や景観と調和のとれた中山間地のむらづくりのあり方を研究します。
  • 農地・山林付き住宅や二地域居住者向けコンパクト住宅を普及し、新しい住まいのあり方を提案します。
  • リニア中央新幹線の整備を見据え、信州の南の玄関口となる長野県駅を中心としたまちづくりなどを支援します。

4)「産業」:AI、IoT時代にふさわしい産業支援体制を構築します

元気な産業は、確かな暮らしの基盤です。急速な技術革新が行われるなか、必要な産業構造の転換を進め、全ての産業分野で創造性・生産性を高めていかなければなりません。産業支援体制を再構築し、産業政策を強化することにより、地域経済の活性化と家計可処分所得の増加につなげてまいります。

○産業支援体制の再構築と>長野県営業本部(仮称)の設置

  • 県全体の産業支援機能を強化するため、県組織はもとより、中小企業振興センターやテクノ財団、工業技術総合センターをはじめとする試験研究機関、大学等の高等教育機関などにおける産業支援体制を再構築します。
  • 物産振興に関して統合的なマーケティングや市場開拓を行い、信州のブランド化を一層推進するため、長野県営業本部(仮称)を設置します。

○中小企業に対する総合的な支援

  • 中小企業振興条例を踏まえ、県内経済や地域社会に重要な役割を果たしている中小企業に対する支援に総合的に取り組みます。
  • 中小企業の受注機会や販路の拡大を支援するとともに、県産品の積極的な購入を促進します。
  • 製品・サービスの開発や高付加価値化、新たな分野への事業展開等を支援するとともに、優れた中小企業の表彰や製品・技術の広報に取り組みます。
  • 後継者となる人材の確保や従業員の人材育成、労働環境の改善に対する支援を充実します。
  • 地域に根ざした産業(商業・サービス業、建設業等)と地域資源を活用した産業(観光業、農林業等)の発展等のため、関係団体との連携を強化します。

○イノベーションが起きるエコシステム(生態系)づくり

  • 開業率のさらなる向上を図るため、ながの創業サポートオフィス等における創業促進のための支援策を一層充実するとともに、信州大学や長野県立大学をはじめとする県内各大学と連携し、起業家が育つ環境づくりに取り組みます。
  • 研修機能やシェアオフィスを有し、研究者、既存企業との交流の場ともなる起業家やベンチャー起業を支援する拠点(ex. 信州大学オープンベンチャー・イノベーションセンター)の設置を促進し、有効な活用を図ります。
  • ベンチャーキャピタルや金融機関と連携し、ベンチャー企業に対する資金面での支援を充実します。
  • これからの産業振興に不可欠なAI、IoT、ロボット関連の大学、企業、研究所等について、リゾートオフィス、シェアオフィスの活用も視野に入れ、積極的に誘致し、その集積を図ります。
  • プロフェッショナル人材の確保を引き続き積極的に進めるとともに、移住・交流施策とも連携して、科学、工学、コンピュータ、教育や芸術などの分野で活躍するクリエイティブな人材の集積を進めます。

○未来投資の促進と円滑な事業承継の支援

  • 多くの地域未来牽引企業が選定されたメリットを活かし、地域未来投資促進法を積極的に活用して産業振興に取り組み、地域未来投資基本計画に定めた産業分野の一層の付加価値向上を図ります。
  • 事業承継支援ネットワークを活かした総合的な取組により、地域経済を支える企業等が事業の継続を断念することがないよう事業承継を支援します。
  • 経営者に対して事業承継に早期に取り組むよう注意喚起し、承継に意欲のある個人や法人を登録するなど、マッチングの支援を強化します。

○地域内経済循環の促進による地域経済の活性化

  • 商店街や農産物直売所、道の駅等とも連携し、県内産の農畜産物、木材、エネルギーやサービスを積極的に購入・活用する「しあわせバイ信州運動」を積極的に進めます。
  • エネルギー自給地域の確立に向けた取組や信州の木自給圏の構築などを進め、食料・木材・エネルギー等の「地消地産(本県で消費するもののうち生産可能なものは、できる限り県内で生産する。)」を推進します。
  • 日本酒・ワイン等地酒やジビエなど、長野県の特色ある食品の消費拡大を図ります。
  • 環境や社会に優しい「エシカル消費」を促進するとともに、さまざまなものを生産している地域として「エシカル生産」の考え方を普及していきます。

○観光地域づくりの推進と観光消費額の増加

  • 豊かな観光資源を最大限活用し、魅力ある観光地域づくりを推進することにより、国内外の観光客数の伸びの確保や観光客一人当たりの消費単価の向上を図り、宿泊、飲食、土産物、交通などの観光関連消費額の増加を目指します。
  • 日本版DMO(地元と連携して観光地域づくりを行う法人)である長野県観光機構のさらなる機能強化を図り、世界水準のDMOにします。また、県内各地域における広域DMOの設置を支援し、観光地域づくりを推進するための体制を整備します。
  • 外国語表記の拡充、Wi-Fi環境の整備、体験型観光資源の発掘整備などにより、インバウンドも含め一年を通じて人が訪れる滞在型の観光地域づくりを進めます。
  • SDGs未来都市としてユニバーサルツーリズムの普及に取り組むとともに、東京オリンピック・パラリンピックの開催や県立武道館の設置等を視野に入れ、アウトドアツーリズムやスポーツツーリズムを促進します。

○農林業の成長産業化と小規模農家等への支援

  • 農林業における新規就業者の安定的な確保に努めるとともに、高度な知識や技能を持った人材の育成に力を入れます。
  • 農林業のスマート化等による付加価値の向上を進めるため、技術指導に加え、経営改善やマーケティング、市場開拓、輸出拡大、IoTやロボットの活用等に関して支援する体制を整備します。
  • 農産物のオリジナル品種をはじめ、ワイン・日本酒やカラマツなどのブランド化を一層推進し、需要の拡大、付加価値の増加を図ります。
  • 飲食・宿泊等の観光分野で県産・地元産の食材や木材を積極的に活用していただけるよう、農観連携、林観連携に取り組みます。
  • 中山間地域農家や定年帰農者、半農半Xの働き方等への支援を充実し、道の駅や直売所の機能充実等に取り組みます。
  • 広域的な視点で自立的・持続的な森林管理を行う体制(FMO:フォレスト・マネジメント・オーガニゼーション)の構築を検討します。
  • 主要農作物種子法の廃止に伴い、長野県原種センターの位置付けの明確化や伝統野菜などの保全を視野に入れ、広く県民のご意見をお伺いした上で、長野県種子条例(仮称)の制定を検討します。

5)「技術」:先端技術を産業の活性化と暮らしの利便性向上に活かします

政府の「未来投資戦略2018」が指摘するように、世界ではAI、ビッグデータ、IoTなどの社会実装が進み、デジタル革命が進展しつつあります。こうした革新的技術を産業や暮らしに積極的に取り入れ、新たな価値創造や社会的課題の解決につなげることにより、超スマート社会=Society5.0を構築し、産業や地域の活性化を図ります。

○先端技術の活用による産業の活性化

  • AI、IoT利活用戦略を策定し、先端技術の導入による産業の生産性向上を支援します。
  • IoT分野のプロフェッショナル人材の招へい、IoTデバイス事業化・開発センターの設置等により、世界水準のIoTデバイスの開発を促進します。
  • 観光をはじめとするサービス産業等において、ビッグデータの活用や資金決済のキャッシュレス化を進めます。

○先端技術の活用による暮らしや労働環境の改善

  • 自動運転・デマンド交通、ITを活用した遠隔医療や遠隔授業、ドローンによる配達サービスなど、暮らしの利便性等を高める技術の活用を進めます。特に中山間地域の暮らしを支える視点で先端技術を積極的に活用します。
  • テレワークの普及やAI、IoTの活用による業務の効率化により、労働環境の改善を図ります。
  • AI、IoTを活用したエネルギーマネジメントを推進するなど、エネルギー転換や脱炭素社会の構築に向けたイノベーションを促進します。

○Society5.0に向けた体制整備と企業・研究所の誘致

  • 自動化による人手不足や交通弱者の解消、遠隔・リアルタイム化による条件不利地における地理的制約の克服、中小企業者や農林業者の世界との直結など、想定されるメリットは大きいことから、先端技術を産業や暮らしに活かすための政策を企画立案する組織を新設し、地方におけるSociety5.0実現への取組を牽引します。
  • 県の試験研究機関を再編強化し、Society5.0の推進を技術面からも支援できる体制を整えます。
  • 政府による規制のサンドボックス制度の活用等により、自動運転、電波利用等の高度で革新的な近未来技術に関連する規制改革に積極的に取り組み、先端企業、研究所等の誘致を推進します。

6)「共生」:人を大切にし、誰一人取り残さない共生社会をつくります

高齢化や人口減少が進み、社会保障制度が前提とする地域・家庭・職場という支え合いの基盤が弱まる中、人と人とのつながりの再構築と行政の守備範囲の見直しにより、誰も孤立することがない社会をつくることが求められています。複合的な課題を抱える方々も増えており、縦割り的な対応ではなく、さまざまな関係者の協力のもとでの総合的・包括的な支援に努め、人を大切にして、誰一人取り残さない共生社会を目指します。

○結婚及び出産・子育ての支援

  • 生涯未婚率が上昇する中、婚活支援センターを通じた出会いの機会の拡大、ジョブカフェ信州における若者の正社員としての就業促進などにより、結婚に対する希望の実現を応援します。
  • 出産や子育てに関する不安や孤立を解消するため、産科医師や助産師の確保に努めるとともに、妊娠時から子育て期まで家族を丸ごと切れ目なく支援する仕組み(信州こどもサポート(仮称))を構築します。
  • 教育費、医療費等子育てに関する経済的負担の軽減を図るとともに、育児休業等の取得を促進するための企業に対する優遇策を検討します。
  • 病児・病後児保育、地域型保育など多様な保育サービスの充実を支援します。
  • 放課後児童クラブや放課後子ども教室などの運営支援、信州子どもカフェの普及やフリースクールへの支援など、多様な子どもの多様な居場所づくりを進めます。
  • 家庭や子どもを持つことの素晴らしさを感じ、自らの人生設計について考えてもらう機会としての「ライフデザインセミナー」を、県内すべての高校で実施するよう取り組みます。

○困難を抱える子ども・若者への支援

  • 子ども支援条例を適切に運用して子どもの悩み・課題の解決を図るとともに、青少年サポーター等を通じて、貧困、障がい、いじめ、虐待や不登校、引きこもりなど、困難を抱える子ども・若者に寄り添った支援を行います。
  • 児童相談所の体制を強化するとともに、警察をはじめとする関係機関との連携を進めます。
  • 里親委託を推進するとともに、児童養護施設等に入所している子どもの自立支援等に取り組みます。
  • 子どもの生活実態に関する調査結果を踏まえ、困難を抱える子ども及び家庭への支援の充実を図ります。特に、低所得家庭の子どもの学びを支援するため、学生・生徒のボランティア等による無償・低廉な学びの場の充実、給付型奨学金制度の拡充、TOEIC等受験料の助成などを検討します。
  • ニートやひきこもり、発達にさまざまな特性を持つ子ども・若者の社会参加や自立を、民間団体等と連携して促進します。
  • 子どもを性被害から守るための条例を適正に運用し、予防のための教育、被害者の支援などに取り組みます。

○生きることの包括的な支援及び複合的な困難を抱える人に対する支援

  • (公財)日本財団及び(特非)自殺対策支援センター・ライフリンクの協力のもと策定した自殺対策推進計画を着実に実行し、自殺率を低下させます。
  • 子どもの自殺対策プロジェクトチームを設置して子どもの自殺「ゼロ」を目指します。
  • 複合的な支援を行う必要がある方々の自立と社会参加、社会とのつながりの回復を促すため、地域住民、ボランティア、NPOなどと分野を越えた協働を進め、地域福祉を充実するためのプラットフォームづくりを支援します。
  • 長期間働かずに求職活動もあきらめてしまう、いわゆる「ミッシングワーカー」のような社会とのつながりがない人たちを救うとともに、人々が社会とのつながりを失ってしまうことを予防する施策を検討します。

○支え合いの輪の拡大

  • 手話言語条例を踏まえて手話の一層の普及に取り組むとともに、障がいがある人にも優しいまちづくりや観光を進めるなど、ユニバーサルな地域づくりを進めます。
  • 信州あいサポート運動を充実し、あいサポーターの数を増やすとともに、ヘルプマークの普及に取り組みます。
  • 献血者、骨髄バンクやアイバンク等の登録者を増やすことができるよう、県としての取組を強化します。

○スポーツを通じた共生社会づくり

  • 全国障害者スポーツ大会の開催に向け、日本財団パラリンピックサポートセンターの協力のもと、障害がある人もない人も共に楽しむことができるスポーツの振興を図ります。

5 政策を実現し、長野県を発展させるための「自治力」の強化

地域の多様性は、個性豊かな77の市町村からなる長野県の活力の源泉です。文化や産業、自然等各分野の多様性を維持・発展させるためには、日常の学びを起点とした、各地域における自治を一層充実することが必要です。また、県としての独自性を発揮して県民福祉を向上させるためには、県組織の政策形成能力等を一層高めるなど、自治力を強化することが重要です。

○地方分権の確立に向けた取組

  • 地域や産業の活力を増進するためには、本県の実情にあった政策を実行することが重要であり、さらなる地方分権が必要です。全国知事会等と連携して、自治立法権の強化など、国に対して一層の地方分権を求めてまいります。

○地域重視の県政運営と独自のルールづくり

  • 県内各地域の課題に正面から取り組み、地域振興局の機能を一層強化します。
  • 知事が県内各地域に出かけて、さまざまな場所を訪問し、執務を行う「移動知事室」の実施頻度を増加させます。
  • 信州の風土を守る環境、景観、食の安全等に係る独自のルール作りを進めます。第一弾として、長野県の農業を守るための長野県種子条例(仮称)の制定を検討します。

○分権型予算編成等の推進と組織のあり方の見直し

  • 県政を効率的かつ効果的に推進するため予算、人事等の分権を進めるとともに、各部局や地域振興局等の責任者がこれまで以上に説明責任を果たす体制の構築を目指します。
  • 地域のプロジェクトに対して効果的・機動的に支援を行えるよう予算執行(地域振興推進費、元気づくり支援金等)の重点化を図るとともに、各部局が政策の評価・検証等を県民との対話を通じて行う仕組みを検討します。
  • 総人件費の抑制に努めるとともに、子ども支援に係る組織の充実等、時代の要請に適合する県組織のあり方を検討します。
  • 公文書に対する信頼を高め、説明責任の徹底を図るため、公文書の管理に関する基本的な事項について定める公文書管理条例(仮称)の制定を検討します。

○学ぶ県組織への転換と職員の働き方改革等

  • 職員一人ひとりが地域に飛び出し、「学びと自治の実践者」として取り組むことを促し、県組織自体を「学ぶ組織」へと転換します。
  • 残業時間の縮減や長期休暇の取得奨励、育児・介護休暇の取得促進など、業務の見直しとあわせて職員の働き方改革を推進し、公務能率と仕事の質の向上を図ります。
  • 専門分野の明確化や異動周期の長期化、国内外の大学院等への留学や国・企業との人事交流の推進等を通じて、職員の政策形成・実行能力を向上させます。
  • 不祥事を根絶し、県民や社会の要請に的確に応えるため、コンプライアンスを徹底します。

○市町村との協力・連携

  • 市町村とは対等協力の関係で県民のための仕事をともに進めていきます。必要に応じ市町村への権限委譲を行う一方で、県が市町村の事務を代行・補完するなど、最適な役割分担を検討します。
  • 小規模自治体における保育士、技術職員等の確保方策を、市町村とともに検討します。
  • 県内各地域や市町村が、それぞれの特色を活かして取り組む自主的な地域づくりのための取組を応援します。

○NPO等との協働の推進

  • NPO等公益的な活動を行う団体と積極的に協働し、適切に役割を分担します。
  • ソーシャル・インパクト・ボンド(Social Impact Bond:外部資金提供による成果連動支払い)の導入など、官民連携による社会課題解決の仕組みを検討します。
  • 日本郵便(株)との間で締結した信州創生に向けた包括連携協定を踏まえ、郵便局との協働を推進し、県内各地域の活性化や安全安心の確保を図ります。
  • CATV、コミュニティFMなどとの協働を推進し、県民との間で双方向の情報伝達が円滑に行われるようにします。

6 県内10地域の取組の方向性

1)佐久地域

  • 県立武道館の整備を進め、武道館を活かした魅力あるまちづくりを支援します。
  • 中部横断自動車道の八千穂高原ICまでの延伸効果を活かして、移住促進、観光や地域産業の振興に取り組むとともに、早期の全線開通に向けて力を注ぎます。
  • 天体観測施設等を活用して星空や宇宙を学ぶ観光の振興を図るとともに、北国街道の歴史的建造物など歴史・文化を活かして観光地域づくりを進めます。また、G20環境・エネルギー大臣会合開催を通じ、地域の魅力を世界に発信します。
  • 健康長寿先進エリアとして、健康づくりのための「さくっとずく出す」プロジェクトやプレメディカルケア産業の活性化に積極的に取り組みます。
  • 首都圏からの近さ、山村留学、国際的な教育などの多様な教育環境、日本有数の高原野菜生産地などの特色を活かし、移住や二地域居住の促進に取り組みます。

2)上田地域

  • 温泉、高原、農村景観等を活かして、ヘルスツーリズムなど体験・滞在型の観光を広域的に推進する官民協働のプラットフォームをつくります。
  • 千曲川ワインバレー構想の実現に向け、生産ほ場の整備やIoT等の技術を活かした安定生産、高品質化を進めるとともに、ワインツーリズムを推進します。
  • 複数の大学等が立地する地域であることから、若者や女性、外国人留学生等の起業、就業等を積極的に支援します。
  • 健康・医療等次世代産業の支援に力を入れるとともに、道の駅や直売所等を拠点として地域内経済循環の活性化を図ります。
  • 松本地域と結ぶ青木峠トンネルの調査・整備などを通じて、他地域との交流促進を図ります。

3)諏訪地域

  • 官民協働で「諏訪湖創生ビジョン」の実現に取り組むとともに、諏訪湖研究センターの設置検討や、諏訪湖周サイクリングロードの整備を進めます。
  • 八ヶ岳山麓が「縄文文化」により日本遺産に認定されたことを受け、地域の豊かな自然や、縄文の文化・歴史を活かした観光地域づくりを進め、観光客の増加と地域の活性化を図ります。
  • トラベルサポーター等を活用したユニバーサルツーリズム、静岡県等との連携による塩の道サイクルツーリズムを推進します。
  • ものづくりの盛んな地域として、諏訪圏ものづくり推進機構や諏訪東京理科大学等と連携し、AI、IoT等の新技術を活かした産業振興を進めます。

4)上伊那地域

  • 伊那バイパス、伊駒アルプスロードの整備を進め、国道153号を上伊那とリニアとを結ぶアクセス基盤にします。
  • 中央アルプスの国定公園化に取り組むとともに、鹿嶺高原、宮田高原、陣馬形山等をアウトドアスポーツや自然体験を楽しめる場として活用します。
  • 上伊那広域DMO(2018年10月設置予定)、伊南広域DMO(2019年度設置予定)を核とした「広域観光地域づくり」を強力にバックアップします。
  • 「INA Valley産業支援ネットワーク」を通じて、ものづくり産業の高度化、林業へのドローンの活用、農業へのICTの活用、自動運転による移動システムの構築などの取組を支援し、上伊那地域を先端技術活用のモデル地域にします。
  • 本部を駒ヶ根市に移転した青年海外協力協会(JOCA)と連携し、高齢者も子どもも障がいのある者も皆が主体的に参加できる「多世代交流コミュニティ」を構築します。

5)南信州地域

  • リニア長野県駅を中心に、AI、IoTを活用した先進的な二次交通モデルの構築を官民協働で検討します。
  • リニアバレー構想を推進するとともに、企業、研究所の誘致やICT関係企業の創業を推進し、サテライトオフィス、リゾートワークの実践地を目指します。
  • 航空宇宙産業の核となる企業の誘致を推進するとともに、公的研究機関や大学のサテライト機能の地域展開を推進します。
  • 伝統芸能の継承・発展をパートナー企業制度の充実・強化やふるさと納税の受入れ等で支援し、伝統芸能の交流、研究の全国的な拠点を目指します。

6)木曽地域

  • 今後の御嶽山入山への規制解除を展望し、登山道及び山小屋・シェルター施設等の整備を促進するとともに、名古屋大学御嶽山火山研究施設の取組を支援します。
  • 御嶽山火山マイスターの養成を進め、御嶽山ビジターセンター(仮称)設立を支援します。
  • 木曽地域広域自立圏の取組として、移住ポータルサイトの開設、移住相談センターの設置、移住促進ツアーの造成を行い、移住・交流を促進します。
  • 木曽川右岸道路の整備を促進するとともに、南木曽町・大桑村・上松町・木曽町(木曽病院)間のマイクロバス運行を支援します。
  • 林業大学校、上松技術専門校等の連携・強化により、全国から森林林業を学ぶ人が集う人材教育拠点としての「フォレストバレー」形成に取り組みます。

7)松本地域

  • 信州まつもと空港の国際化・活性化を推進するため、積極的な誘致活動と空港施設の充実を進め、国際プログラムチャーター便、国際定期便の就航につなげます。また、市町村、観光事業者、交通事業者など関係者とともに空港を中心とする観光ルートや二次交通のあり方について協議を進めます。
  • 北アルプスの山々や上高地、乗鞍、美ヶ原などを活かした山岳観光や、文化的な集積を活かした観光など、地域の特色を活かした観光客の誘致を進めます。
  • 信州大学(信州メディカルシーズ育成拠点・信州地域技術メディカル展開センター)などの研究教育機関、松本ヘルス・ラボを進める松本市など自治体や金融機関などと連携して、メディカル・ヘルス産業の集積、創業を推進します。
  • セイジ・オザワ松本フェスティバルを支援するなど、文化・芸術の一層の振興を図ります。

8)北アルプス地域

  • 壮大な北アルプスの自然環境を活かした新しい暮らし方・働き方(一人多役、シェアオフィスなど)による移住・交流を推進します。
  • サイクルステーションの設置やモデルコースの設定等を通じてサイクルツーリズム等を推進し、北アルプスと安曇野の自然を満喫できる観光地域づくりを進めます。
  • 酒米や環境保全型農法など特色ある米づくりを進めるとともに、アスパラガス等の園芸作物を戦略的に導入します。また、広葉樹に係る生産・加工・販売の仕組みづくりを行うなど、広葉樹林業のビジネス化を図ります。
  • 北アルプス地域と松本地域、糸魚川地域を結ぶ松本糸魚川連絡道路の整備を促進し、地域経済の活性化と地域住民の利便性の向上を図ります。

9)長野地域

  • 信濃美術館や県立歴史館など文化・芸術・歴史を活かした地域づくりにより、人が集い、文化薫る「県都ながの」の魅力を再構築します。
  • 信州大学、工業技術総合センター等が相互に連携し、新技術を活かして、食品・機械などものづくり産業の振興を図ります。
  • 県立大学等地域の高等教育機関と連携し、若者が地域課題の解決方策等を検討する場を創設します。
  • 「ながの果物語りプロジェクト」(果物を活かした産業・観光・景観づくり)を進めます。
  • アクティビティ等の「体験」と地域の人々との心温まる「交流」を軸として、地域の特長を活かした広域観光を推進します。

10)北信地域

  • 住宅除雪支援事業の対象拡大を検討するとともに、水路等を活用した伝統的な集落内消雪システムの維持・更新を支援します。また、つながり人口を活かし、除雪ボランティアの受入拡大を図ります。
  • 県立大学ソーシャル・イノベーション創出センター(CSI)との連携による伴走型起業支援を行い、移住促進・若者定着につなげます。
  • 信越自然郷の枠組みを活かして、通年型の広域的な観光地域づくりを進めます。特に、地元農産物を活用した食の魅力、温泉による癒し、自然・歴史・文化など地域資源を組み合わせた温泉ガストロノミーツーリズムを推進します。
  • シャインマスカット、リンゴ長果25、スモモ長果1など果樹戦略品種等の導入拡大を図ります。また、雪中貯蔵、雪室熟成による農産物・加工品のブランド化を推進し、北信州雪室商品としての統一PRや販路開拓を強化します。

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